チェ・ゲバラとは何者かを知る本
1928年、アルゼンチンに生まれた革命家チェ・ゲバラ。
医学生時代にラテンアメリカを旅し、貧富の格差や米国支配の問題に目覚める。
カストロ兄弟と共にゲリラ戦で活躍し、59年のキューバ革命政権樹立に貢献。
要職を歴任するものの、思いは全ラテンアメリカでの革命推進にあった。
再び戦地に赴くチェ。
だが前哨戦のコンゴ、続くボリビアで過酷な現実に直面し…。
彼の遺した膨大な文章と関係者への取材から実像に迫る。
(内容紹介より)
本書は約290ページに渡り、チェ・ゲバラことエルネスト・ラファエル・ゲバラ・デ・ラ・セルナの誕生から最期(プラス後日談)まで書かれています。
ゲバラは日本でもTシャツの柄になっていたり、イケメンで有名だったり、南米出身の人物としては知名度が高いです。
しかし、ゲバラが何をやったのか、フィデル・カストロとの関係、キューバ革命とは何か、などを体系的に説明できる人はそう多くはないと思います。
そして、それらに興味はあるけれど、どこから手を付けていいのか分からないし、難しい本は敬遠したい。
そのような方におすすめの本です。
本書を読めば、チェ・ゲバラの人生とその背景を一通り知ることができます。
アルゼンチン生まれの喘息を持った少年が医学部入部、フィデル・カストロとの出会い、ゲリラ活動、革命、そして射殺されるまで39年。
僅か39年の間、様々な人物や地域に影響を与え、死後も影響を与え続けています。
「彼の遺した膨大な文章と関係者への取材から実像に迫る」
そう紹介されている通り、非常に詳細に描かれています。
ゲバラの逸話なども挿入されているため、ゲバラの人となりも想像することができます。
これは革命家ゲバラ、政治家ゲバラの歴史であり、ラテン・アメリカの歴史でもあります。
そしてアメリカとの関係、米ソの圧力。
ゲバラの死にはCIAの関与など、様々な逸話があります。
ゲバラの射殺を命じたボリビアのレネ・バリエントス・オルトゥーニョ大統領。
このレネ・バリエントスもまた、農民に金を配りに行く途中でのヘリコプター墜落事故により、50歳の若さで死亡するという数奇な運命を辿ります。