死刑執行人サンソン家の歴史。死刑執行人の人生とは
フランス革命もう一人の主役!!小説を超えた驚きの連続!
敬虔なカトリック教徒であり、国王を崇敬し、王妃を敬愛していたシャルル─アンリ・サンソン。彼は、代々にわたってパリの死刑執行人を務めたサンソン家四代目の当主であった。
そして、サンソンが歴史に名を残すことになったのは、他ならぬその国王と王妃を処刑したことによってだった。
本書は、差別と闘いながらも、処刑において人道的配慮を心がけ、死刑の是非を自問しつつ、フランス革命という世界史的激動の時代を生きた男の数奇な生涯を描くものであり、当時の処刑の実際からギロチンの発明まで、驚くべきエピソードの連続は、まさにフランス革命の裏面史といえる。
(内容紹介より)
パリにいた世襲の死刑執行人。
その中の一人、「シャルル―アンリ・サンソン」。
それが本書の主人公です。
死刑執行人は他国にも存在しています。
そしてこのサンソン家も六代続きました。
では何故この「シャルル―アンリ・サンソン」が注目されるのか。
それは国王ルイ十六世を処刑したからでした。
「シャルル―アンリ・サンソン(以下サンソン)」は1739年にパリで生まれました。
パリの死刑執行人は「ムッシュー・ド・パリ」と呼ばれ、サンソンは六代続いた「ムッシュー・ド・パリ」の四代目に当たります。
その「ムッシュー・ド・パリ」の初代、シャルル・サンソン・ド・ロンヴァル。
この初代は何故死刑執行人になったのか。
話はそこから始まります。
そして死刑執行人の生活、国王との関係、死刑執行の文化、そして死刑執行人とは何か。
それらをサンソンの半生を追いながら見ていきます。
また、それはフランス革命を処刑人の視点から見ていくことにもなります。
死刑執行人のイメージでよくあるのが、無慈悲で粗暴な、マスクを被ったゴリゴリのマッチョです。
しかし、実際の死刑執行人は教養があり、医業も兼ねる救世主でもありました。
死と生を司る死刑執行人サンソン家。
その人生とは。
それを読みやすく、新書とは思えないボリュームで書かれています。
本書からの引用メモ
・サンソン家は代々医業を副職にしてきた(p22)
・ルイ十六世によってあらゆる拷問が全面的に廃止(p64)
・群衆に殺された処刑人の例がある(p66)
・ルイ十六世には公式寵姫がいなかったため、王妃のマリー・アントワネットが世間の世間の荒波をもろに被ることになる(p70)
・ギロチンを構想した人々の意図が人道的だった(p94)
・日本の斬首とフランスの斬首は根本的に異なる(p104)
・発案者ギヨタンの名にちなんで「ギロチン」(p126)・ギロチンの斜めの刃、あれはルイ十六世が考えついたものだった(p132)